[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

  精巣腫瘍に関する用語解説
TOP

体験記1

体験記2

体験記3

体験記4

Words

Links

用語解説はこのサイト、私の体験記をよりよく理解していただくためのものです。
正確で詳細な情報は別サイトあるいは書籍等でお調べください。
私が情報収集に利用したサイトはリンク集に掲載しております。
特に参考にさせていただいたサイトは、GLOCKENREIN―精巣腫瘍体験者の独り言国立がんセンター癌研究会です。

精巣腫瘍(睾丸癌)

  男性にのみ発生する腫瘍で、その頻度は悪性腫瘍の中では低く、10万人あたり1〜2人ぐらいの割合です。好発年齢は、乳幼児期と思春期以降の性的活動性が高まる時期に相当しています。
  精巣(睾丸)は精子を造る男性固有の臓器です。精子を造るだけではなく、男性ホルモンも造っています。精巣を栄養する主な血管は、大動脈の腎臓の高さから出て鼠径部を通り精巣に至ります。精巣で造られた精子は、射精時に精巣上体精管をへて、前立腺部の尿道より射出されます。精巣癌は、精巣内の精子を造る精細管上皮細胞から発生します。
  多くの場合、痛みや発熱を伴わない陰嚢の腫大に気づくことで発見されます。常に気をつけて精巣の大きさやかたさに注意していない限り、精巣内のしこりが小さい時期に自分で発見することは困難です。ときに、精巣を強打して、はじめてその腫大に気づくこともあります。

病期の分類 GLOCKENREIN―精巣腫瘍体験者の独り言より転載

I期: 転移を認めず
II期: 横隔膜以下のリンパ節にのみ転移を認める
IIA: 後腹膜転移巣が長径5cm未満のもの
IIB: 後腹膜転移巣が長径5cm以上のもの
III期: 遠隔転移。
III0: 腫瘍マーカーが陽性であるが、転移部位を確認し得ない
IIIA: 縦隔または鎖骨上リンパ節(横隔膜以上)に転移を認めるが、その他の遠隔転移を認めない
IIIB: 肺に遠隔転移を認める
 B1: いずれかの肺野で転移巣が4個以下でかつ長径が2cm未満のもの
 B2: いずれかの肺野で転移巣が5個以上、または長径が2cm以上のもの
IIIC: 肺以外の臓器にも遠隔転移を認める
この病期分類は、がんの進行にしたがって定義されたもので、治療方針を考える上で極めて実際的なものですあり、その後の治療方針を決める上で非常に重要です。病期別の治療方法については国立がんセンターの精巣腫瘍に関するページが参考になります。

 

精巣腫瘍の種類

精巣腫瘍は、細胞の種類によって大きくセミノーマと非セミノーマに分けられます。通常、高位精巣摘除術によって摘出された腫瘍を調べます。

 セミノーマ 

  造精(精子を作る)細胞形成の要素が分化して腫瘍化したものがセミノーマで、20〜50歳の年齢層に多く、10歳以下は稀です。
  精巣腫瘍の中では最も頻度が高く、約40〜60%を占めます。放射線治療が比較的良く効き、プラチナ製剤を中心とした化学療法も効果が大きい場合が多く、ほとんどの症例が放射線療法と化学療法に反応して予後良好です。また、セミノーマはAFPを生産しません。

非セミノーマ

  胎児形成や胎盤形成の要素が分化して腫瘍化した胎児性癌、奇形腫、卵黄嚢腫、絨毛癌などセミノーマ以外のものが非セミノーマです。なお、セミノーマと非セミノーマの両方を含む複合組織型の腫瘍は、非セミノーマとして治療されます。
  放射線治療は効果が見込めませんので、化学療法が主な治療方法となります。 

ガン(腫瘍)マーカー

  腫瘍マーカーとは、がん細胞の目印(マーカー)になる物質の総称です。血液や組織、排泄物(尿、便)などで検査することで得られるデータにより、癌細胞の種類、進行具合、治療効果などといった癌の診断や治療に必要な情報を得ます。
  精巣腫瘍の場合に用いられるマーカーはαフェトプロテイン(AFP)、HCGあるいはHCG-β、ときにLDHなどがあり、特に重要なのがAFPとHCG-βです。この腫瘍マーカーの種類と存在する病理組織像の間には相関があります。そこで、腫瘍マーカーの数値により、病理組織が推定できるわけです。ただし、すべてのタイプの腫瘍が腫瘍マーカーを産生するわけではありません。セミノーマや奇形腫では、多くの場合腫瘍マーカーは上昇しません。

AFP

  AFP(αフェトプロテイン)は、セミノーマでは生産されず、検出された場合には非セミノーマに分類されます。血液中の半減期が5〜7日と長いため、AFPが高い値の場合は高位精巣摘除術によって原発部位を摘出した後、転移が無い場合でも陰性化するのに数週間かかりますが、それ以上陰性化しない場合には転移の存在を疑います。
  卵黄嚢腫瘍の約75%、胎児性癌の約70%で上昇します。基準値は10ng/ml以下です。AFPは、肝細胞癌、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、消化器癌などでも上昇します。

HCG

  hCG-β(ヒト縦毛性ゴナドトロピンβサブユニット)は、合胞体性巨細胞により生産されます。血中の半減期は1〜2日です。
  絨毛癌の100%、胎児性癌の約60%、セミノーマの約10%で上昇します。

高位精巣摘除術

  精巣腫瘍と診断された場合、最初に行う治療で原発部位である精巣(睾丸)を手術によって摘出します。摘出した腫瘍から病理組織を調べるので、避けては通れない最初のステップです。両方の精巣に腫瘍が出来る場合は稀ですので、腫瘍のある片方のみの摘出となります。精巣は片方が残っていれば機能上問題ありません。
  私の場合は3時間程度の手術時間でした。

後腹膜リンパ節郭清術

  リンパ節郭清とは癌摘出手術においてその病巣の周辺のリンパ節を転移の危険性から取り除いてしまうことです。転移が確認されていない場合にも、予防措置として行われることもあるそうです。転移がある場合には、高位精巣摘除術の後に化学療法を行い癌マーカーの陽性化を得るか転移した腫瘍の縮小が止まった段階で行われることが多いです。手術の副作用として逆行射精などの射精障害が起こることがあります。
  手術の方法は何通りかあるでしょうが、通常、お腹を大きく切開することになります。私の場合は、途中まで内視鏡を使った方法をとりました。手術時間は14時間程でした。

抗ガン剤治療・化学療法

  癌の治療の場合に、抗がん剤治療と化学療法というのはほぼ同義であると考えてよいでしょう。当サイトでは特に区別無く使っています。
  がんの化学療法は、化学物質(抗がん剤)を用いて癌細胞の分裂を抑え、癌細胞を破壊する治療法です。抗がん剤は、投与後血液中に入り、全身をめぐって体内のがん細胞を攻撃し、破壊します。どこにがん細胞があっても、それを壊滅させる力を持っているので、全身的な効果があります。
  細胞分裂そのものの邪魔をして癌細胞を破壊するので、細胞分裂の早い正常細胞も同じように打撃を受けてしまいます。これに対して、最近では癌細胞にのみ作用するような非細胞毒性製剤と呼ばれるものもあります。
  精巣腫瘍の場合は、この化学療法が非常に効く可能性の高い癌です。主な抗がん剤としてはシスプラチンなどがあり、通常何種類かの薬を併用して投与します。

抗がん剤の副作用

  化学療法に使われる抗がん剤には、強い副作用が有ります。抗がん剤は細胞分裂を妨害して癌細胞を攻撃しますので、細胞分裂が活発な細胞ほど影響を受けやすいです。個人差やまた抗がん剤の種類によって差が有りますが、概ね次のような副作用が考えられます。

骨髄抑制

  ほとんどの抗がん剤で副作用として出現します。骨髄は白血球、血小板、赤血球といった血液の構成要素を生産する重要な働きを持っているのですが、その機能が抗がん剤によって打撃を受けます。3種類ともに打撃を受けますが、赤血球は寿命が長いために、すぐに減少してくるのは白血球と血小板です。白血球は体の免疫作用として体に入ってくる菌などを殺す働きをしていますので、白血球が減るということは抵抗力が下がり危険です。下がる程度によって、手洗い・うがい、マスク、面会・外出の制限など感染症に対する予防処置をとる事が必要です。血小板が下がると血が止まりにくくなります。ちょっとした事で鼻血が出てなかなかとまらなかったり、点滴痕に内出血するなどの症状が出ることがあります。危険な数値まで下がると内臓や脳の出血が起こることもあります。
  血小板は輸血することによって危険を回避することができますが、もちろん輸血による感染症等の危険性はわずかですがありますし、輸血をした血小板は3日程度しか生きられなため、骨髄機能が回復するまで何度も輸血が必要な場合があります。白血球は輸血が出来ないため、基本的に骨髄機能の回復を待ちます。一時的に白血球を増やすノイトロジン等の注射は有ります。
  この骨髄抑制のために、多くの抗がん剤は通常3週間以上投与の間隔を空けて骨髄機能の回復を待ちます。

 吐き気・嘔吐

  ほとんどの抗がん剤で起こる副作用であり、患者にとって最も辛い副作用の一つです。現在では効果の高い制吐剤が開発されていますので、以前よりはましになっているようですが、吐き気と嘔吐に悩まされている人はまだまだ多いです。私の場合もかなり辛かったです。吐き気は、脳の中枢神経を刺激して起こる場合、抗がん剤によって消化器の粘膜が傷害される場合などがあります。点滴の薬剤を見ると吐き気をもよおすなど、抗癌剤投与以前から生ずる予測性嘔吐と呼ばれるものもあります。私の場合、点滴の際に使われる輸滴ポンプのアラームの音でも気持ち悪かったです。
  吐き気や嘔吐のために抗がん剤投与中あるいは投与後まで長時間食事が取れなくなることがあります。その場合は、点滴で栄養を補給します。

 脱毛

  脱毛もかなりの確率で起こります。抗がん剤の治療をする場合には髪の毛は抜けると思っておいた方がいいでしょう。私の場合、抗がん剤投与後16日目から抜け始めました。生えてくる目安は投与後1ヶ月でした。3週間周期で投与していた時にはまったく生えてこず、1ヶ月以上間が空くと生えてきました。必ず生えてくるものですがから、あまり深く考えずに、気に入った帽子でも買って楽しみましょう。

 腎機能障害

  自覚症状はありませんが、腎機能の障害も一般的な副作用です。水分を多く取り、尿を多く出すことによって腎機能の障害を防ぎます。点滴で多くの水分が体の中にいれられますし、利尿剤で頻繁に尿意をもよおす状態だったので私の場合には大きな問題にはなりませんでした。

 下痢・便秘

  抗がん剤によっては、強い下痢を引き起こすものもあります。また、腸の動きが弱くなるために便秘になることもあります。整腸剤や下剤によって対応します。私は両方ともに悩まされました。便が出ないで困って、浣腸をしてやっと出たと思ったらその後下痢が続いたこともあります。

 末梢神経障害

  手足のしびれは、抗がん剤の投与量が多くなるとかなり深刻な場合も有ります。有効な予防法は無く、しびれは治療後長く残ることも多く、永久に残ることもあります。私の場合はそれほど深刻ではありませんが、治療中は手足ともしびれが有り、現在は足のしびれのみ残っています。足のしびれは治療中と比べてあまり改善されてはいません。

 口内炎・食道炎

  私はありませんでしたが、粘膜が傷害されることによって口内炎や食道炎が起こることがあるそうです。

 耳鳴り・難聴

  個人差が大きいようですが、難聴や耳鳴りが起こります。私はあまり気になりませんでした。

 造精機能障害

  残った精巣の造精機能に障害が起こることがあります。回復することもありますが、男性不妊症の原因になります。

BEP療法 GLOCKENREIN―精巣腫瘍体験者の独り言より転載

  ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチンによる三剤併用療法で、本稿執筆時点では、精巣腫瘍の初回化学療法としては最も標準的な治療となっています。個別のケースによりますが、予後良好の場合は3コース、予後中程度や予後不良が予想される場合には4コースが行われます。なお、シスプラチンのかわりにシスプラチンよりも腎毒性や耳毒性などの副作用が軽い誘導体のカルボプラチン(パラプラチン)を使ったJEB療法は、成人の場合、BEP療法よりも成績が悪いことが分かっています。

ネダプラチン・塩酸イリノテカン併用療法  GLOCKENREIN―精巣腫瘍体験者の独り言より転載

  新規抗癌剤である塩酸イリノテカンに、シスプラチンの代わりにネダプラチンを併用する療法です。ネダプラチンはシスプラチンとは別の白金製剤で、シスプラチンと同等の効果が期待できますが、副作用がシスプラチンとは違っています。塩酸イリノテカンとの組み合わせでは、副作用が違うので、症例ごとにシスプラチンとネダプラチンを選択して使用している施設がありますが、最初からネダプラチンと塩酸イリノテカンを併用することにしている施設もあります。

ノイトロジン

  ノイトロジンは、G-CSF製剤で、G-CSFとは顆粒球刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor)で、好中球の産生を特異的に促進する造血因子です。私は治療中、先生の説明で白血球を上げる注射であると理解していました。基本的に皮下注射により投与します。

ステロイド剤

  腎臓の上部にある副腎という臓器の外側の部分、皮質といわれるところで作られるホルモンです。そのため、副腎皮質ホルモンとも呼ばれています。普通の状態でも常に体内で作られていて、体に対するいろいろなストレスに対処するなど生きていく上でとても重要な働きがあります。このホルモンのうち、糖質コルチコイドという成分を化学合成したものをステロイド剤といって、治療に用います。
  精巣腫瘍の治療において使用されるのは、吐き気や嘔吐が激しい場合にその緩和のためです。私の場合、ネダプラチン・塩酸イリノテカン併用療法時に使用しましたし、また、血小板輸血でじんましんが出た時にはステロイド剤の免疫抑制作用によってじんましんを抑えました。
  ステロイド剤の使用の際は、十分副作用に留意する必要があります。使用の方法としては、点滴による短期大量投与と内服による長期投与があります。大量投与では免疫低下による感染の危険性、糖尿病、胃潰瘍などの副作用があり、長期投与では副腎機能の低下、骨粗しょう症、高血圧などがあります。
  ステロイド剤を長期間服用していると、体内でステロイドを作っていた機能(副腎機能)が働く必要がなくなって低下してきます。その状態で急に服用を止めると体内のステロイドが不足してしまい危険な状態になるので、 効果が現れて症状が落ち着いても急には止められないのがこの薬の特徴です。そのため、徐々に投与の量を減らしながら様子を見ていかなければなりません。

 

  このページの初めへ